本校の授業で、職人さんがハサミを研いでいる作業を見学させていただき、実際にメンテナンスも行っていただきました。
その中で学んだ「ハサミに関する大切なポイント」をご紹介します。

今回お越しいただいたのは、創業 大正14年の歴史ある、プロの職人さんが揃う会社「東京理器」さんです。

学生は、メンテナンスを待ち望んでいました。

作業工程としては、
専用の砥石や研磨機(水研ぎ機など)を使って、刃の角度(刃線)を細心の注意を払って研磨します。
シザーは一般的なハサミと異なり、「裏スキ(うらすき)」という刃の裏側の凹んだ構造が命です。
この裏スキの角度を崩さないように研ぐ技術が、プロの職人さんの最も重要な技術になります。

研磨が終わると、鋭利な刃先が復活し、滑らかな切れ味がよみがえります。


続いて行うのが、刃と刃の接点(ネジ部分)の調整です。
ネジの締め具合をチェックし、適切なバランスへと整えていきます。
緩すぎれば毛が逃げ、締めすぎれば開閉が重くなるため、職人さんの感覚が光る工程です。
さらに触点調整として、刃と刃が接する「触点」のバランスを整え、力が均等に伝わるように微調整します。
その結果、ハサミの開閉が軽快かつスムーズになり、手に馴染むようになります。
最後は、品質チェックと仕上げ作業です。
研磨で生じたバリ(カエリ)を丁寧に取り除き、錆止め処理を行います。仕上げの砥石やレザーで刃先をなめらかに整えたあと、専用オイルを接点に差し、汚れや削りカスを拭き取ります。
そして試し切りで切れ味を確認し、すべての工程が完了します。
美容シザーは、家庭用ハサミとは比べものにならないほど精密な道具です。
自己流で研ぐと裏スキが崩れてしまい、元に戻らなくなることもあるため、絶対に行わないようにしましょう。
今回学校に来てくださった職人さんは、専用の機械と長年の経験を持つプロの方々です。
大切な道具だからこそ、信頼できる専門家に任せることの大切さを改めて実感できた、貴重な授業となりました。
東京理器の皆さま、本当にありがとうございました。
教務 松林