こんにちは。
高崎ビューティモード専門学校で教員をしている高柳です。
毎年多くの学生と関わる中で、私が一貫して伝えていることがあります。
それは
「美容師としての第一歩は、自分自身の髪を大切にすること」
だということです。
カットやカラー、パーマなどの技術も大切ですが、それらが活きるのは、髪が健康であってこそ。
今回は、髪の美しさを目指す皆さんと美容師を目指す学生に向けて、基本的だけれどとても大事な“髪の手入れ方法”をお話ししたいと思います。
髪の美しさは頭皮ケアから始まる
髪の健康、実は「頭皮」から始まります。
髪の毛は毛根の中にある毛母細胞が分裂して作られますが、その毛母細胞があるのが頭皮。
つまり、健やかな髪を育てるには、まず頭皮の状態を整えることが必要不可欠です。
シャンプーはその第一歩です。
まずブラッシングを行い、髪や頭皮についたホコリや汚れを浮かせましょう。次に、ぬるま湯(38℃前後)で予洗いをしっかり1〜2分行うこと。
これで汚れの約7〜8割は落ちます。
その後、手のひらでよく泡立てたシャンプーを頭皮につけ、指の腹でマッサージするように優しく洗います。
爪を立てたり、強くこすったりするのはNG。
特に男性の学生に多いのが
「力任せに洗う=しっかり洗えている」
と思いがちな点ですが、逆に頭皮を傷つけてしまうこともあります。
洗い終わったら、すすぎは念入りに。
シャンプーやトリートメントのすすぎ残しは、フケやかゆみ、抜け毛の原因にもなります。
髪の乾かし方にも注意を
洗った後、自然乾燥していませんか?
自然乾燥は頭皮の菌の繁殖や臭いの原因になり、髪のダメージも進行します。
まずはタオルで水分をしっかり吸収させてから、ドライヤーで乾かしましょう。
コツは
「根元から毛先に向けて」
「上から風を当てる」
これにより、髪表面のキューティクルが整い、ツヤのある仕上がりになります。
乾かす際にオイルやミストタイプの洗い流さないトリートメントを使うと、熱によるダメージを軽減できます。
最後は冷風で髪を落ち着かせると、まとまりが良くなりますよ。
トリートメントの選び方と使い方
髪の補修には、トリートメントが欠かせません。
毎日のコンディショナーだけでは補いきれないダメージには、週1〜2回のスペシャルトリートメントを取り入れるのがおすすめです。
重要なのは
「髪質に合ったものを選ぶこと」
例えば、
硬く広がりやすい髪にはしっとりタイプ。
細くて絡まりやすい髪には軽めのもの。
毛先を中心に塗布し、時間を置いてから丁寧にすすぐことが効果を引き出します。
髪の内部にしっかり栄養が浸透することで、カラーやパーマの持ちも良くなります。
紫外線・摩擦・生活習慣にも注意
アイロンやドライヤーを使う機会も多く、髪への負担が増えがちです。
その上、意外と見落としがちなのが
「紫外線」
です。
肌と同様に髪も日焼けし、乾燥や退色の原因になります。
外出時はUVカットスプレーを使ったり、帽子をかぶったりする習慣をつけましょう。
また、寝るときの摩擦もダメージの原因になります。髪を乾かさずに寝るのは絶対にNG。できればナイトキャップやシルクの枕カバーを使うと、摩擦を軽減できます。
さらに、髪の健康には食生活や睡眠も関係しています。栄養バランスのとれた食事と、十分な睡眠を心がけましょう。外からのケアと内側からのケア、両方が大切です。
美容学生へ自分の髪が“教材”になる
将来、美容師としてお客様に髪のケア方法をアドバイスする機会は必ずあります。
そのとき、自分の髪がパサついていたり傷んでいたりしたら、説得力に欠けますよね?
まずは自分自身が「髪を大切にする」こと。その姿勢こそが、信頼されるプロになる第一歩です。
美容師の道は、一生学び続ける道です。
基本的なヘアケアを疎かにせず、自分自身の髪を“実践の場”として活用することで、知識も技術も深まります。
髪は“生きた名刺”とも呼ばれます。
美容のプロを目指す皆さん、まずは自分自身の髪に誇りを持てるようなケアを、今日から始めてみてくださいね。
教務部 高柳